外国人の会社設立

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1.事業形態を選ぶ


 事業形態には「個人」と「法人」があります。
「投資・経営」ビザの取得を考えた場合には、ほとんどのケースで株式会社を設立することになりますが、「永住者」や「日本人の配偶者等」の就労に制限がない在留資格を持つ人の場合には、個人事業主という可能性も考えられます。

 個人事業か、法人を設立するかの選択は、これから始めようとしている事業の規模や業種、将来の展望などを含めて総合的に判断したほうがよいでしょう。

(1)個人事業主と法人事業の違い

 
個人事業
法人事業(会社)
開業手続きと費用
登記は不要で、費用もかかりません
法人設立登記手続きが必要であり、手間と費用がかかります
事業の内容
原則として、どんな事業でもよく、変更は自由です
事業内容は定款に記載し、その変更には定款の変更登記手続きが必要で費用もかかります
社会的信用
一般的に法人に比べて不利となります
一般的に社会的信用が高く、大きな取引や従業員の募集などの面で有利となります

会計面の処理

会計帳簿や決算書類の作成が簡単です
会計帳簿や決算書類の作成が複雑です

事業に対する責任

事業主がすべての責任を負います。

利益を独り占めにできますが、損失がでたり、事業に失敗すれば、個人財産を処分してでも負担しなければなりません。
会社と個人の財産は区別されており、出資者は自分の出資分だけの責任を負います。ただし、代表者等は取引に際し連帯保証をしている場合が多く、この場合は保証責任を負います。合名・合資会社の無限責任社員は無制限に責任を負います。
税金面

所得税は超過累進税率で、以下のような税率となります。
課税所得が195万円以下で5%
330万円以下で10%
330〜695万円以下で20%
695〜900万円以下で23%
900〜1800万円以下で33%
1,800万円を超えると40%

消費税は開業した年の課税売上高が1,000万円以上である場合にその翌々年に納税義務が生じます。

法人税は課税所得800万円以下は22%で、800万円を超える場合は30%の定率となります。

消費税は設立事業年度の課税売上高が1,000万円以上である場合に設立3期目に納税義務が生じます。また、資本金1,000万円以上で設立した法人は、設立事業年度より納税義務が生じる。
社会保険

事業主は政府管掌の健康保険にも又、厚生年金にも加入できません。

国民健康保険、国民年金に加入することになります。
役員も会社が加入すれば、政府管掌の健康保険にも厚生年金にも加入できます。
事業主報酬 事業利益が事業主の報酬となります。 役員の報酬は原則として経費になります。`

(2)会社の種類と特徴

 
合名会社
合資会社
合同会社
株式会社
役 員
社員が業務執行
社員が業務執行
社員が業務執行
1人以上
設立時の最低人数
1人
2人
1人
1人
定款の費用
40,000円
40,000円
40,000円
90,000円

登録免許税

60,000円
60,000円
60,000円
150,000円

意思決定機関

社員間の合意
社員間の合意
社員間の合意
株主総会
出資者
社員
社員
社員
株主
出資者の責任範囲
無限責任
有限or無限責任
有限責任
有限責任

2.株式会社の設立フロー

 株式会社の設立フローは、概ね以下のようになります。

3.会社の印鑑

(1) 法人設立に必要な印鑑

ア) 実印(個人印)
  市区町村役場に登録した印鑑で、自分本人であることを証明するための印鑑です。会社の設立はもちろん、起業後にも代表者としての個人的な保証を行う場合に利用することが多い印鑑です。

イ)代表取締役印
  法務局に届け出ている法人の実印で、経営者が対外的に会社を代表して行う契約書などに利用されます。不動産売買契約、業務委託契約などの重要な取引に使われるため、銀行印と同様に厳重に保管しなければなりません。

ウ)角印
  社印とも呼ばれ、一般的には領収書、注文書、稟議書などの社内文書に使われます。「法人が発行した証」として押されることが多く、代表取締役印を押すほどの重要性はない日常的な業務で利用されます。

エ)銀行印
 取引銀行へ登録するための印鑑で、手形や小切手の振出などにも利用されるため厳重な管理が必要です。偽造、紛失、盗難などのリスク分散という意味からも、代表取締役印とは別に作成するのが一般的です。

(2)印鑑の材質と文字

ア)材質
  印鑑の材質には様々なものが用いられており、最も普及している「柘植(ツゲ)」から始まり「黒檀」、「黒水牛」、「オランダ水牛」、「象牙」、「チタン」などがあります。中でも「柘植(ツゲ)」は材質が固く細工がしやすいことから、日本では昔から女性の櫛などに利用されてきました。
  特にこだわりがなければ、もっとも安価で手に入りやすい「柘(ツゲ)」や「シャム柘(アカネ)」で作成されることをお勧めします。

イ)字体
  印鑑を作成する上では様々な字体が利用されていますが、代表的なものは@篆書体、A吉相体、B古印体の3つとなります。
 
@篆書体・・・中国の古代文字が日本に伝わり進化したもの。威厳や重厚さを感じさせる書体
A吉相体・・・吉相八方位に基づいて作られた書体で開運などを願って作られた書体
B古印体・・・明治時代に読みやすい書体として作られた比較的新しく優雅さを感じさせる書体
 
  篆書体は日本の法人印鑑で最も多く利用されている字体のため、特に強いこだわりなどがなければ篆書体を選ぶことをお勧めします。

ウ)サイズ
  代表取締役印は、法務局に登録するため大きさが定められおり、印鑑の直径が10o以上30o以下でなければなりません。一般的には18o〜21oのものがよく使われています。           同じく角印は、21o〜24oが多く、銀行印は16.5o〜21oまでのものが多く利用されています。  

(3)日本でのビジネスと印鑑

ア)印鑑の役割
  西洋におけるサインと同じように、印鑑は契約成立の証や法人としての意思を示す際の証として様々な場面で利用されています。法律的には印鑑が無くても双方の同意があれば契約は成立するとされていますが、実務的には法人が契約を行う場合には印鑑を押印するのが一般的です。

イ)法人の印鑑登録
  法人を設立して法務局に登記申請をする際には、併せて法人の代表社印も登録することとなります。登記完了後には法人としての印鑑証明も取得することができるようになり、これをもって銀行などで法人名での銀行口座を作成したりします。また、重要な契約では代表取締役印の確認として印鑑証明の提出が求められることが多くあり
ます。

ウ)代表取締役印の重要性
 法務局に登録してある代表取締役印の場合には、印鑑証明と合わせることにより本人の意思かどうかが確認できます。そのため、契約において代表取締役印と印鑑証明を求められる場合には、取り消すことができないような重要な契約であることがほとんどです。 このように代表取締役印は非常に重要なものであり、一般的には印鑑登録を行う印鑑には指で触って上下がわかる印はついていません。これは押印する前に自分の目で確かめ、本当に押印するべきかどうかもう一度考えさせるためだと言われています。

(4)代表者印をなくしたら

 代取印は、会社の意思表示を表す大切な印鑑です。悪意のある第三者が手に入れた場合には、公的文書の偽造など、犯罪に利用される恐れがあります。紛失した場合には警察に届け出るとともに、すぐに新しい印鑑を作成し、法務局に改印届を提出して新しい印鑑を登録します。

4.発起人と会社設立

(1)発起人とは

 発起人とは、簡単に言ってしまえば「株主の代表者」であり、会社を作る役割の人とも言えます。発起人が定款の作成、株主の募集、出資金の払い込みなどの会社を作る一連の作業を行うことになり、必ず株主となります。

 外国人が起業する場合、その外国人が日本に既に滞在しているケースでは、本人が発起人となり会社を設立し、その後、(代表)取締役に就任するケースが多くみられます。一方、その外国人が海外にいる場合には、日本に住む友人などが発起人となり、会社設立後に海外在住の外国人が(代表)取締役として就任するケースも見られます。

(2)募集設立と発起設立

  会社の設立には、発起設立と募集設立の2通りがあります。発起設立とは発起人の全員がお金を出し合って会社の株式をすべて引き受ける方法です。一方、募集設立は発起人以外には、広く一般の人から資金を集めて株式を引き受けてもらう方法です。

1.発起設立

2.募集設立

※募集設立では、広く一般の方からも資金を集めるため、会社設立の手続きは複雑になります。 そのため、特別な事情がない限りは、発起設立で行うのが一般的です。

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